春、フユる冬からハル春へ
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春とは何か・・・
古代から日本人は考えていた。
神が山にいる期間は万物がひそかに忌み籠もる期間であり、生命の再生を待つ期間であると考えた。
そこでこの期間を、古代人はフユ(冬)と呼んでいた。
フユとは「御魂の殖ゆ(フユ)」であり、じっと辛抱して忌み籠もる間に、新たな生命が「殖ゆる(フユる)」期間を意味していた。
そこで冬(フユ)には、死にかけた太陽を復活させるための、さまざまな太陽祭祀が行われた。
鎮魂祭も、元来、この「御魂の殖ゆ(フユ)」の祭りであり、日神の御子である天皇の霊力の賦活(ふかつ)をはかる儀礼であった。
こうして冬至をすぎると、太陽は復活する。
山に帰っていた神が里に降りてくる「春」が訪れる。
この神を迎え、また、同じく山に帰っていた祖霊を迎えて、新年の豊作を願い、祖霊祭りを行うのが、正月の様々な祭りである。
まさしく「ハル」は「ハレ」であり、木の芽がいっせいに「張る(ハル)」季節であり、新たな生命が瑞々しく胎動しはじめる季節だったのだ。
やがて、農作業の始まる時期には、山から降ってきた神に豊穣を祈る春祭「トシゴシの祭り」が行われた。
古代の人は、万物がひそかに忌み籠もる長い期間である冬から、生命の再生を待ち新たな生命が瑞々しく胎動しはじめる期間である春を、心から待ち望んだのだ。
